アリエール マネジメント ソリューションズのトップページへ戻ります
ホーム |  サイトマップ |  免責条項
会社概要
サービス紹介
ニュースレター
記事・書籍・出版情報
お問合せフォーム


ホーム >  ニュースレター >  Managing Results (vol.2)

ニュースレター

Managing Results (vol.2)

自主・自律的能力開発のサポートマネジメント:2

−OJTにおけるマネージャーの役割−

2.自主活動をサポートするマネージャーに求められること

(1)問題解決の考え方・進め方を活かす

 部門メンバーの能力開発プロセスを問題解決プロセスとして、問題解決スキルの開発をも念頭にサポートしていくことがマネージャーには求められる。@目標・現状・問題の3つの要素を具体的に表現することで、「問題構造化スキル」の強化を図る。常に目標と現状のギャップを把握し、構造的に表現するスキルである。次に、A目標に対してどのようなアプローチ(手段)で開発するかという「目標に対する適切な手段の立案スキル」の開発である。また、B活動手順の洗い出しによる「具体的活動単位の設定スキル」と活動阻害要因の洗い出しと対策立案という「リスクマネジメントスキル」を中心に行う。


(2)プロセスを重視する

 自主・自律的活動をサポートするマネージャーは方向性、実施状況、サポート必要性の有無などを把握する必要がある。目標をお互いのプラットホームとして進めることで、今、目標に対してどこまで到達していて、何をすべきなのかを確認できる。マネージャーの役割の重要なプロセスは企画段階と評価段階のPLANとCHECKでの接点である。企画段階を例に取ると、シナリオづくりの必要性、作成する内容を確認(P)、本人に原案を作らせ(D)、次にいっしょに確認・サポートする(C)、そして、部下自身で考え、改良(A)する流れが必要なのである。つまり、能力開発プロセスをPDCAのステップをするとともに、それぞれのPDCAごとにPDCAのステップを踏むというメッシュ型プロセスマネジメントの考え方が重要であり、その中で特に各ステップのPとCを管理・監督者は重視し、関わりを持つのである。これは実施、評価おいても同様であり、適切な進捗把握によるサポートの実施が可能となる。(参照:図)



(3)個々人に適したサポートコミュニケーション

 職場におけるメンバーは個々に「意欲と能力」は異なるのが実情である。それらは職場経験にも大きく影響される。マネージャーは、自主・自律を促進するサポートを行うことが基本であるが、部下別に、また、状況によっては、マネージャーの指導・提案が必要な場合もあることを認識しておくべきである。但し、それを一方的に、強制的に誘導するのではなく、「必要性」を根拠とした説得ではなく、納得性を重んじたコミュニケーションをすることがマネージャーには求められる。
自主・自律的人材開発のためのコミュニケーションのポイントは「気づかせること」である。計画において、何故、どのような能力開発が必要なのか。そのためにはどうすればいいのか。をまずは部下が考えたことを尊重しながら、ズレがあった場合は、それを気づかせることが重要となる。評価において重要な点は、経験からの教訓抽出を気づかせる点である。経験からの教訓抽出とは、成功、失敗の結果に到るプロセスの中で何を学んだかである。何が足りなかったか。そして、次は何に注力すべきなかを整理することである。これを一緒に解きほぐすのである。結果として、当初の計画内容の変更もありうるのである。更に特に教訓抽出で重要なのは、「状況判断力」を伸ばす機会でもある。職場の能力は手順ごとの作業内容を文字で表現でき、そのまま実施すればよいというものばかりではない。よって、能力開発を職務で経験してみた結果のどのような状況で、どう判断し、どう行動したが、結果、どうなったというケースの中で、整理することが状況判断力の強化に繋がる。よって、この教訓抽出のコミュニケーションが極めて重要なのである。整理した後は部下自身が自分の言葉で文字に落としておくことで「その場しのぎ」の対処を防ぐことになることについても部下に伝え、実行させていることもマネージャーには求められる。



3.まとめ

 本稿で述べてきたのは部門目標実現に向けた職場での実践体験を通じたマネージャーと部門メンバーとの協働(OJT)による能力開発である。この実践的体験学習から何を学び、何を次に活かすかをマネージャーと部門メンバーで確認し、合意することを各ステップにおいてきめ細かく行うことで「考えさせ」「行動させ」「評価させ」「次に活かす」ことを習慣化さえることを目指している。この習慣化が自主・自律・持続型問題解決人材の基盤となる。また、当該アプローチはマネージャー自身が部門マネジメント能力強化の機会なのである。



Copyright 2005 Ariel Consulting All right reserved.